『さくら学院 2015年度 ~キラメキの雫~』ライナーノーツ

「マセマティカ!」

これまでの「賢くなれるシリーズ」はみんな素晴らしくかっこいい楽曲たちだったので、この「マセマティカ!」もかなり気合いを入れて書かせていただきました!ぜひ、「マセマティカ!」で算数の公式を勉強してみて下さい。
僕も楽曲を作りながら忘れていた公式と、あの頃の青春を思い出すことが出来ました。

作曲 / 編曲:本田光史郎

6thアルバムのリリースということで、今年もまた卒業式の季節が来たのかと思うと少し寂しくなります。作詞させていただいた「マセマティカ!」は今年度初の新曲でした。
2015年度がはじまった直後、まだ歌やレコーディングに不慣れなメンバーもいらっしゃったと思いますが、その初々しさが感じられる貴重な一曲だと思います。算数の公式や数字に関する言葉をちりばめた歌ですが、数学用語にはかわいい響きのものが少ないため、制作に難航した一幕もありました。
新メンバーが12名中6名という変化の大きかった今年度、大切な仲間たちに出会えた「奇跡」と「軌跡」を感じながら歌っていただけたのではないかと思います。

作詞:EHAMIC

「サイエンスガール▽サイレンスボーイ」 / 科学部 科学究明機構 ロヂカ? : Ver.1.2

この曲は今年度の生徒会長である磯野さんが2012年度に初の部活動として参加されたときの曲でもあります。楽曲提供者としてはこの曲が歌い継がれていくことが嬉しいですし、この曲の中にひとりの少女が成長していくドラマが込められたことになんとも言えない感動を覚えます。科学部新メンバーの岡田さんと倉島さんも先代科学部の意志を立派に受け継ぎつつアップデートしてくださり、2012年度版・2015年度版それぞれに違った印象、違った良さがあります。ぜひ聴き比べていただけると幸いです。

作詞/作曲/編曲:EHAMIC

「ジャカパラ Goo Goo♡オムライス」 / クッキング部 ミニパティ

今回の作品も最初に「レシピ」をいただいてからの作詞という、珍しい書き方をしています。そして、テーマはオムライスです。 色とりどりなメンバーの好きな材料を盛り込んだ歌詞の中で、ミニパティが可愛い洋食屋さんになって、音楽を奏でるように楽しくクッキングしています。

作詞:稲葉エミ

代替わりして初の新曲ということで自分も初心に帰って、ミニパティらしい可愛くて楽しいハチャメチャ感第一!を意識して制作しました。音楽的にも 8bitサウンドを軸にしつつ、ロックンロール・カントリー・ジャズなどいろんな音楽をごちゃ混ぜにして、展開に勢いをつけて楽しいドタバタ感を出せるようにしてみました。収録ではしっかり愛子ちゃんが先輩として後輩にレクチャーしてくれたのでスムーズに録音できましたよ!3人それぞれ個性的で可愛らしい歌声なので、ダンスと合わせて新生ミニパティの新曲、楽しみにしていただければと思います!!

作曲/編曲:サカモト教授

「未知標 ~ミチシルベ~」

磯野莉音ちゃん、白井沙樹ちゃん、大賀咲希ちゃん。
卒業する3人の日々を紐解くと、笑顔と笑顔の隙間に頑張った証の切なさや痛み、そして涙の雫の跡がキラキラの輝きになって残っています。 「道しるべ」とは進むべき方向を示すシルシ。
さくら学院で過ごした時が、彼女たちの未来への「未知標 ~ミチシルベ~」となることを願いこの歌詞を紡ぎました。
これからどこにいても、この輝く「シルシ」を胸に頑張ってくださいね。

作詞:六ツ見純代

今回楽曲制作にあたり「卒業」というテーマを頂きました。 卒業する磯野さん、大賀さん、白井さんの未来と、在校生が3人を送り出すシーンを想像しながら大事にメロディを作っていきました。
冒頭のリフレインやサビは口ずさみ易い大きなフレーズになっていますので、是非、多くの方に親しんでもらえると嬉しいです。

作曲:倉内達矢

この楽曲を編曲させていただくにあたり「優しさ」「力強さ」の両方を感じれる様に意識致しました。皆さんが「新たな未来への希望を胸に抱き一歩を踏み出す時」には是非聞いていただきたい1曲です。もちろん新しい道には希望だけでなく不安や迷いもあると思います。ですが、きっとこの楽曲が貴方の背中を優しくそっと押してくれる事でしょう。

編曲:KAY

「キラメキの雫」

毎年卒業生を送り出さなければならないのが“さくら学院のサダメ”だと分かっていても、やっぱり曲を書いているうちから切なさが込み上げて泣けてきます。それでも、巣立っていく先輩の背中を笑顔で送り出すメンバーと父兄の皆さんを思い浮かべ、「キラメキの雫」が出来ました。 「卒業に向けた曲」というと、どうしても「哀しさ」が伴ってしまいがちですが、今回の曲は今年度メンバーのイメージに沿った、明るく元気なメロディーになるよう心がけました。

歌詞では、歌ってくれるメンバーそれぞれが、自身を投影出来るように…と四苦八苦。卒業生である磯野さん大賀さん、白井さん、それぞれの成長過程を私なりに振り返ってみたり、転入生それぞれの学院日誌を覗き見てキャラを探ってみたり。また、5周年という節目の曲ということもあり、今まで見送って来た卒業生の皆さんにも思いを馳せました。
それぞれが、それぞれの道をキラキラと輝きながら、真っ直ぐに進んでいること。奇跡ではなく、自分の力で道を切り開いていること。
彼女たちの推進力の根底には“さくら学院”で学んで来たという誇りと、
スーパーレディーになる!という絶対的な目標があるということ。
「これから卒業していく皆さんにも、自分だけのキラメキを輝かせて行って欲しい。」そんな私の勝手な希望も込めてしまっているかも知れません。

そして、ライブの度に痛感する父兄の皆さんの温かさと、支えて下さっていることへの感謝。曲を制作する側としても、ひしひしと感じるこの感謝を、つたない歌詞だとしても伝えられていれば幸せです。

最後に。「君に届け」に引き続き、本田光史郎さんの超絶かっこいいベースライン!ダンサブルな間奏!自分が書いた曲だという事を忘れて何度聞いてもシビれます(笑)ステキなアレンジのお蔭で更なるキラメキがプラスされて、ポップかつ、カッコいい「さくら学院ROCK」になっていると思います!

この曲が歌い繋いでくれるメンバー、そして、いつも温かく応援して下さる父兄の皆さまに末永く愛されますように!またライブで笑顔の花がたくさん咲くことを願っています☆

作詞/作曲 cAnON.

「約束の未来」

この楽曲は、さくら学院の皆さんが大切に歌い継いで下さっているデビュー曲「夢に向かって」の続編といえる作品を、という嬉しいお話を頂いた作品です。
「夢に向かって」が最初のドアだとしたら、次の大きな扉を開いて、また見たことのない高みに向かって進んで行くNext Doorのイメージで、いつものようにリスナーの皆さまや父兄の皆さまに、さくら学院のひたむきさや純粋さをできるだけストレートに感じて頂けるように考えて書かせて頂きました。
また、メロディとサウンドもそのテーマに相応しいカッコいい曲だと思います。
書いている最中は、この5年間の思い出や可愛い皆さんのステージでの姿や歌声を想い、何度も胸が熱くなりました。
これからこの歌も「夢に向かって」と同様に皆さんに愛され長く歌って頂けたならこんな嬉しいことはありません。
もうじきまた卒業のシーズンですが、今年卒業してゆくメンバーの皆さんも、
在校生の皆さんも、また夢に向かって、その先の約束の未来に向かって、新しい夢に果敢に挑んで行って欲しいと願っています。
そんな私からのエールも少しだけ感じて頂ければ嬉しいです。
今後も作家としてはもちろん、心情的には父兄の一人としても、ずっと応援し続けたいと思っています。

作詞:森由里子

『さくら学院 2015年度 ~キラメキの雫~』

なんて、『誇り高い』アルバムでしょうか。
アイドルは、『キャラ』にとらわれがちです。
自ら、「私って○○キャラだからー」って言って、そういう人になろうとするアイドルもいますが、個人的には、キャラって見ている人たちが勝手に見出すものだと思うので、本人が自分で言っているのを見ると、
なんとなく、モニョっとした気分になります。
でも、キャラってものが存在しないわけじゃない。
ただ、一生懸命やってると、自然ににじみ出るものだと思うんですよね。
そこで、今年のアルバム。
『目指せ!スーパーレディ』はもちろん、『サイエンスガール▽サイレンスボーイ』、『すいみん不足』や『ピース de check』とかまで、聴き比べられるようになってるわけです。完成度が高いからこそ、年を経てのアレンジも最小限に留められている楽曲の中に、今までの卒業生や上級生との差や本人の成長、2015年度のそれぞれの個性が、むしろはっきりにじみ出ています。

個人の個性、成長を感じてからだと、集団としてのさくら学院、というグループ自体の個性が、「おろそかにしない」「かっちり」「無駄に悩んでみせない」
一言で言えば「誇り高い」。

それを感じてからの、新曲の『キラメキの雫』からの
あの『夢に向かって』とか、聞いたら、ねぇ。

誇り高いからこそ、自分に言及したりせずに、ストレートに一生懸命にやって見せてる姿って、なんて清々しいんだろう、と、思わざるを得ません。

老舗とは、確信の連続。
誇り高くない老舗はありえない。
さくら学院は、間違いなくこの先、より伝統校、名門校になりますよ。

吉田尚記

PROFILE

稲葉エミ (Emi Inaba) 作詞

2002年作詞家デビュー。2005年には自身の音楽ユニットsoluaで作詞家兼ボーカリストとしてもデビュー。2010年、2011年に参加した、TVアニメ「けいおん!」の劇中歌アルバムは2年連続オリコン週間1位を獲得。TV番組主題歌やJ-POPから始まり、TVアニメの主題歌や劇中歌、アイドルへの作品提供など、多岐に渡り活動中。

EHAMIC [エハミック] 図書館司書。シンガーソングライター。

音声合成ソフトVOCALOIDを使ったLP盤を制作するなど、前衛的な表現活動でも注目されているアーティスト。TVCM「Google Chrome×初音ミク」への出演やコンビニエンスストアLAWSONのイメージソング提供をきっかけにメディアへの露出を始め、アーティスト活動以外に作家やタレントとしての顔をもつ。各所への楽曲提供も行っており、アナログとデジタルを融合させた、繊細かつ大胆な楽曲が特徴。

cAnON. (Kanon) 作詞/作曲/編曲

福岡生まれ東京育ち。高校3年間をバンド活動に費やし、作詞作曲を始める。
「音楽AO」で慶應義塾大学環境情報学部に進学。入学と同時にストリートダンスに明け暮れる。在学中に制作した作品がリリースされ、プロになることを決意。現在、作詞作曲の他にコーラスでコンサート、レコーディングに参加。

倉内達矢 (Tatsuya Kurauchi) 作詞/作曲/編曲

1980年、神奈川県横浜市生まれ。洗足学園音楽大学 器楽科ジャズ専攻卒業。ギタリストとしてアーティストのライブのサポートや携帯向け音楽コンテンツの制作などの経験を経て、2010 年から作家活動を開始。音楽理論に基づいたコードワークや、耳なじみの良いメロディラインを得意とする。

KAY(作曲・編曲)

幼少よりクラシックピアノに親しむ。大学在学中に作詞・作曲・編曲した「あの日から僕らは」が読売新聞社主催「阪神淡路大震災メモリアルコンサートつなぐ想い?1.17?」のメインテーマソングに選出。大学卒業後に作曲家・編曲家として本格的に活動開始。トラックプロデュースは正統派J-POPアレンジからダンスミュージックまで幅広く手がける、新鋭クリエイター。

サカモト教授 (Sakamoto Kyoju) ゲーム音楽演奏家・作曲家。

8bitテイストの楽曲の制作を得意とし、オリジナルアルバム『SKMT』は、iTunesStore エレクトロニックチャートでアルバム・シングルでダブル1位を獲得。世界まる見え!テレビ特捜部やQさま!!出演。2012年はスウェーデンのDreamHack、フランスのJapanExpoなど世界へと進出。2013年、さくら学院クッキング部ミニパティへの楽曲提供、「三国テンカトリガー」などのスマホアプリへの楽曲提供など、活動の場を広げる。2014年、待望のオリジナルセカンドアルバム『REBUILD』をリリース。11月28日〜30日にスウェーデン・ストックホルムにて行われる「MIYABI JAPAN STORY」への出演が決定するなど、国内外問わず勢力的に活動している。日本シンセサイザー協会(JSPA)正会員。

六ツ見純代 (Sumiyo Mutsumi) 作詞

東京都生まれ。あらゆるジャンルに対応出来る高いアンテナとボキャブラリーの多様さに定評がある。また、作詞を越えた活動も幅広い。陶芸で作品展を開催する傍ら、ライフワークである「猫旅」をもとに旅行雑誌や猫の雑誌にエッセイ+ 写真の掲載等も行っている。豊かな感性と共に心に刻んだ喜・怒・哀・楽を言葉や形に変えて発信することを得意とするクリエイターである。

本田光史郎 (Koshiro Honda) 作詞/作曲/編曲

1979年、京都府生まれ。2002 年、アミューズと契約。バンド「MILKRUN」としてビクターエンターテインメントからメジャーデビューし、ベーシストとして活動。2004 年、バンド名を「AUDIORULEZ」に改名し、メジャーデビュー。2010 年、「MAGICPARTY」として女性ボーカルのユニットでポニーキャニオンよりメジャーデビュー。「MILKRUN」「AUDIORULEZ」でシングル6枚、アルバム2枚をリリースする。「MAGICPARTY」では全ての曲を作曲、編曲し、シングル4枚とミニアルバム1枚をリリース。2012年よりスマイルカンパニーで作家活動を始める。

森由里子 (Yuriko Mori) 作詞家。東京都出身。

アニメ「ドラゴンボール」主題歌「魔訶不思議アドベンチャー!」で本格的な作詞家へ。中森明菜「TATTOO」がオリコン1位、レコード大賞金賞、メガロポリス歌謡祭ポップス大賞などを受賞。その後、安室奈美恵、ももいろクローバーZなど多くのJ-POPや、アニメ主題歌(近年では「聖闘士聖矢Ω」OPテーマ、「アイドルマスターシンデレラガールズ」1期、2期OPテーマなど多数)、やゲーム主題歌、舞台、キッズ向けまで幅広い分野でこれまでに1100曲以上の楽曲をリリースし活躍中。さくら学院には「夢に向かって」「School days」「FLY AWAY」「ラビカム」「I・J・I」そして新曲「約束の未来」の歌詞を提供している。

BACK